災害と訴訟
公の営造物の設置または管理の瑕疵とは、
公の営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく
賠償責任については
国および公共団体の過失の存在を必要としないとするのが高知落石事件の判例である。
大東水害訴訟では、未改修河川の安全性は、整備の過程に対応する
過渡的な安全性で足り、河川管理が、財政的、
技術的及び社会的制約を受けることは許されるとして、国に河川管理上の瑕疵がなかったと認定した。
多摩川水害訴訟では、改修済みの河川は、改修、整備の段階で想定された洪水から、当時の技術水準に照らして通常予測し、かつ回避しうる水害を未然に防止するに足りる安全性を備えるべきものであるとした。
旧自作農創設特別措置法に基づく農地の買収については、農地の買収が自作農創設を目的とする一環した国策に伴う法律上の措置であるが、
国による農地の買収価格は相当な補償をする必要があるとするのが判例である。
道路工事の施工の結果、危険物保有者が法令上の基準に適合するよう工作物の移転等を余儀なくされ、損失を被ったとしても、同工事の施工によって警察規制に基づく損失がたまたま現実化するに至ったものにすぎず、このような損失は、
道路法の定める補償の対象に属しないとするのがモービル石油事件の判例である。
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